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本当に貧血にココアが効くのか?
ちまたでは、貧血に効果がある飲み物としてココアが紹介されることが多いそうです。
友人からおすすめされたかたや、インターネットのホームページでそう書いてあるのを読んだ方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、本当にココアは貧血にきくのでしょうか。
ココアが貧血に効くと言われるようになった理由
ココアが貧血に効果があるといわれるようになった理由にはその原材料であるカカオ豆にあります。
カカオ豆は赤道近くで育つカカオの樹の実で、鉄分を多く含みます。
これにより、鉄分を多く含むカカオ豆でつくられたココアは、貧血に効くのではないか、という説が広まります。
貧血のほとんどの原因は鉄欠乏症ですから、これの解決のために鉄分を多く含む飲み物を飲もうとするのは極めて合理的で正しい選択だと思います。
また、ココアに含まれるココアポリフェノールは、身体の毒となる活性酸素を除去する「抗酸化作用」を持っていたり、貧血体質の人にとっては嬉しいリラックス効果も認められています。リラックスをすればその分、血流も自然と良くなるので、貧血が良くなると考えられているのです。
しかし、実は問題もあると思われるのです。
ココアにはカフェインが含まれている
一見鉄分を豊富に含んでるココアですが、だからとって直接的に貧血に良いというわけではありません。
なぜならココアには、あの悪名高きカフェインが含まれているからです。
カフェインは鉄分や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害する成分で、貧血の人にとってはぜひとも避けたい物質です。
もちろん、含まれているといっても、コーヒーなどと比べれば少ない量です。(半分ほど)
しかし、貧血にとってマイナスしかないカフェインをわざわざ摂取する必要はないと思うんです。
パウダー状にして製品化したココアよりもはるかに多い鉄分量、しかもその吸収を助けるビタミンやその他栄養素を含む飲み物もあります。(貧血に効く飲み物を参照)
なぜカフェインが貧血に悪いの?
カフェインは直接、鉄分の吸収を邪魔をするものではありません。しかし、間接的に、鉄分を吸収しづらくしています。鉄分を体内に取り込む際、ビタミンの働きによってスムーズに吸収されています。カフェインの効果には利尿作用というものがありますが、これはビタミンを大きく消費するものです。体内のビタミンが減ることで、鉄分の吸収が難しくなります。
また、カフェインは鉄分の吸収の邪魔になるだけではありません。カフェインの興奮作用は、脳や末端の血管を収縮させます。血管が収縮されればその分血流が高まり(ホースを握ったときのように水圧があがる)ますので、一時的に元気は出ますが、身体のめぐりは悪くなります。貧血でフラッとするのは、脳に酸素が運ばれないからです。鉄分は酸素と結合して脳まで酸素を運ぶのですが、血管が収縮してはおのずとその量も減ります。よって、カフェインを摂ると脳貧血のリスクも高まってしまいます。
効くのか効かないのかは疑問
鉄分を多く含んで血中の鉄分を増やす可能性を持つ一方、鉄分の吸収を阻害し血中の鉄分を減らす可能性を持つ、という性質上、ココアの貧血への効果は正直疑問が多いといえるでしょう。